急性調節(分~時間) |
細胞内外シフト |
慢性調節(半日~) |
尿中へのK排泄 |
インスリンはNa/H交換輸送体(Na/H exchanger)を活性化させ、流入したNaを外に出すためにNa/KATPaseを活性化する。また、インスリンはNa/K ATPaseの数も上昇させる。結果としてブドウ糖と関係なくカリウムを細胞内に取り込む
甲状腺ホルモンやβ2カテコラミンは細胞膜のNa/K ATPaseを活性化して、Kの細胞内移動を促進する。甲状腺ホルモンはNa/K ATPaseの数も上昇させる
細胞内から細胞外への[H+]の移行→[K+]が細胞内に取り込まれる。
Cl-は細胞内に入りにくいため、H+が細胞内に入るときにKが細胞外へ出て行く。対して有機酸アシドーシスの場合はH+と共に陰イオンも細胞内に入りやすいため、Kの放出が起こりにくい。呼吸性アシドーシスの場合もKは上昇しない。
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PCT(proximal convoluted tubule:近位尿細管)、TAL,(thick ascending limb:(ヘンレの)太い上行脚)
CCT(cortical collecting tubule:皮質集合管)、DCT(distal convoluted tubule:遠位尿細管)
S(secretion:分泌)、R(reabsorption:再吸収)
ALDO(aldosterone)、ADH(antidiuretic hormone:抗利尿ホルモン)
MCD(medullary collecting duct:髄質集合管)、ICT(initial connecting tubule:接合尿細管)
≪腎臓でのK排泄≫
≪皮質集合管でのK排泄に影響を与える重要な因子≫
① |
Na(尿流)の皮質集合管への十分な到達 |
脱水で減少(←塩分制限を厳しくするとK上昇する)、利尿薬や多尿で促進 |
② |
尿細管腔内陰性荷電の形成 |
重炭酸イオン、馬尿酸イオン(トルエン中毒)などの陰イオンの尿中増加 |
③ |
アルドステロン作用の増強 |
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(1)髄質集合管ではKの分泌および再吸収は起こらない
(2)皮質集合管終末部での尿浸透圧が血漿浸透圧とほぼ等しい(ADHが正常に働いている)
TTKG={尿中K濃度÷(尿浸透圧/血漿浸透圧)}÷血漿K濃度 =(尿中K濃度×血漿浸透圧)/(血漿K濃度×尿浸透圧) |
註)この式は尿中浸透圧が血漿浸透圧よりも高く(低浸透圧尿の場合は(2)の前提が成り立たない)、また尿Na濃度>25mEq/lであるときにのみ利用可能。つまり、脱水と多尿(薄い尿)の時には使えない。
≪高K血症の場合≫
≪低K血症の場合≫
注)
TTKGの概念は1986年にHalperinらにより提唱された(Miner Electrolyte Metab.1986;12:234)
が、2011年には同じ著者により否定された(Curr Opin Nephrol Hypertens.2011;20:547)。したがって、今後は使わないほうがよいようである。