- EBウイルスは西アフリカの子供に多発するBurkittリンパ腫の原因ウイルスとして、1964にMichael A. Epstein、 Yvonne Barrらが発見した。
- このウイルスは通常は唾液を介して上咽頭上皮細胞に感染する。幼少期は家庭内や保育園で、思春期以降はキスによると考えられている。
- 上咽頭細胞に感染すると、増殖の場として終生宿主に宿ることになるが、一方ではCD21を多数発現しているBリンパ球に容易に感染し不死化する。CD21はEBウイルスのレセプターである。
- 免疫反応が不十分な幼少期に感染すると不顕性感染となり、強い免疫反応が可能となった思春期以降に感染すると伝染性単核球症となる。
- 結果世界中のほとんどの成人が既感染者で、健常人の10-20%、免疫不全患者の50~80%で常時唾液中にウイルス粒子が分泌されている。
- 免疫監視機構が正常な健常人ではEBV特異的T細胞により増殖が制御され再燃はない。
- 腫瘍に関連するウイルスとしての性格を持ち、上咽頭癌の原因になる。また、リンパ球の活性化によりpolyclonal~monoclonalの増殖を引き起こし、様々なリンパ増殖性疾患を惹起させる。