溶血性レンサ球菌感染症には以下のような特徴がある。
血液寒天培地上の溶血パターンでα、β、γに分けられる。
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溶血パターン |
病原性 |
菌種 |
β |
完全な溶血環 |
強 |
・ groupA:S.pyogenes ・ groupB:S.agalactiae ・ その他(groupC、groupDなど) |
α
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不完全な溶血による緑色の溶血環 |
中 |
Viridans Strept(緑色連鎖球菌)と呼ばれる。 ・ anginosus group(膿瘍形成傾向あり) (S.anginosus,S.constellatus,S.intermedius) ・ mitis group(S.mitis,S.oralis,S.sanguis,S.gordonii) ・ mutans group(S.mutans,S.sobrinus) ・ salivarius group(S.salivarius,S.vestibularis) S.pneumoniae(病原性は強い、Viridansとは呼ばれない) bovis group(感染性心内膜炎、大腸癌と関係あり) S.gallolyticus,S.pasterurianus,S.infantarius、S.lutrensis) |
γ |
溶血なし |
弱 |
血清型でD群と呼ばれる。かつては腸球菌が入っていた。(enteric strept.) |
※同じ菌でも異なる溶血パターンをとることがある。(例:anginosus groupはβ溶血、bovis groupはγ溶血パターン)
細菌感染症と毒素による傷害、免疫反応に分けられる。
感染症 |
咽頭/扁桃炎、皮膚軟部組織感染(丹毒、壊死性筋膜炎)、心内膜炎、敗血症 |
毒素 |
猩紅熱、連鎖球菌性毒素性ショック症候群(TSLS) |
免疫反応 |
糸球体腎炎、リウマチ熱、溶連菌感染後反応性関節炎 |
1)咽頭/扁桃炎
2)皮膚軟部組織感染症:
3)壊死性筋膜炎/毒素性ショック症候群
4)猩紅熱
5)リウマチ熱
6)溶連菌感染後急性糸球体腎炎
新生児や糖尿病などの基礎疾患を持つ成人で蜂窩織炎、皮下膿瘍、筋膜炎、肺炎、骨髄炎、関節炎、菌血症、髄膜炎などを生じる