急速に進行する認知症には以下の疾患がある。(Neurol Clin.2007;25:783)
神経変性疾患 |
クロイツフェルト・ヤコブ病 アルツハイマー病 レビー小体型認知症 前頭側頭型認知症 大脳皮質基底核変性症 進行性核上性麻痺 |
感染性疾患 |
ウイルス性脳炎(HSVなど) HIV脳症 進行性多巣性白質脳症 亜急性硬化性全脳炎(若年者) 真菌感染(主に免疫不全者、中枢神経アスペルギルス症など) 梅毒 寄生虫症 ライム病(稀に脳症を合併) ホイップル病 肉芽腫性アメーバ性脳炎(Balamuthia) |
中毒・代謝障害 |
ビタミンB12欠乏 ビタミンB1欠乏 ナイアシン欠乏 葉酸欠乏(認知障害はまれ) 尿毒症 ウィルソン病 ポルフィリン症 肝脳変性症 ビスマス中毒 リチウム中毒 水銀中毒 砒素中毒 電解質異常 |
自己免疫性 |
橋本脳症 傍腫瘍性/自己免疫性辺縁系脳炎 中枢神経ループス 中枢神経血管炎 神経サルコイド症 |
内分泌 |
甲状腺機能障害 副甲状腺機能障害 副腎不全 |
腫瘍関連 |
非自己免疫性傍腫瘍疾患 悪性腫瘍の脳転移 中枢神経原発リンパ腫 血管内リンパ腫 リンパ脈管肉芽腫症 大脳神経膠腫症(gliomatosis cerebri) |
レビー小体型認知症 | 比較的急性で1年以内の死亡例もある。ADに次いでCJDと紛らわしい疾患 |
前頭側頭型認知症 | 急速進行はまれだがADの典型例よりは急速。前頭葉症状(行動、性格変化)を伴うことが多い。15%以上は筋萎縮性側索硬化症を合併し1.4年以内に死亡する。 |
大脳基底核変性症 | パーキンソニズムを伴うことが多く、AD,PSP,FTDとの鑑別が難しい。ミオクローヌス、視力/感覚/運動異常を合併しCJDと紛らわしいこともあるがMRIのFRAIRやDWIで区別できる |
進行性核上性麻痺 | CJDと区別が難しかった症例報告がある。認知症、無動、姿勢反射障害、筋拘縮、パーキンソニズムなどを合併することが多くCJDと共通の症状である。 |