《キャッスルマン病の診断基準案》(臨床血液2017;58:97-107) | ||
AおよびBを満たすものをキャッスルマン病と診断する。 | ||
A 以下の2項目を満たす。
1、腫大した(直径1cm以上の)リンパ節を認める。 2、リンパ節または臓器の病理組織所見が、下記のいずれかのキャッスルマン病の組織像に合致する。 1)硝子血管型 2)形質細胞型 3)少子血管型と形質細胞型の混合型
|
||
B リンパ節腫大の原因として、以下の疾患が除外できる。
1、悪性腫瘍 :免疫芽球性T細胞リンパ腫、ホジキンリンパ腫、濾胞樹状細胞肉腫、腎癌、悪性中皮腫、肺癌、子宮癌など 2、感染症 :非結核性抗酸菌症、猫ひっかき病、リケッチア感染症、トキソプラズマ感染症、真菌性リンパ節炎、伝染性単核球症、慢性活動性EBウイルス感染症、急性HIV感染症など 3、自己免疫疾患 :SLE、関節リウマチ、シェーグレン症候群など 4、その他の類似した症候を呈する疾患 :IgG4関連疾患、組織球性壊死性リンパ節炎、サルコイドーシス、特発性門脈圧亢進症など |
《キャッスルマン病の組織像》(臨床血液2017;58:97-107) | |
1)硝子血管型(Hyaline vascular type) |
|
2)形質細胞型 (Plasma cell type) |
|
3)混合型 (Mixed type) |
|
補足) HHV-8関連MCD |
|
《診断に際しての参考事項》
リンパ節の病理組織像は、多くの場合形質細胞型あるいは混合型を呈する。特発性MCDの診断には類似した臨床像と病理組織像を取りうる様々な疾患の除外が重要である。
《鑑別診断》
1、悪性リンパ腫
比較的緩徐に進行し、腹腔内/胸腔内などの深部リンパ節腫脹、腫瘤性病変形成という臨床像を共有するため、低悪性度B細胞性リンパ腫との鑑別を求められる。
濾胞性リンパ腫(FL)
節性辺縁帯B細胞性リンパ腫(NMZL)
マントル細胞リンパ腫(MCL)
形質細胞腫
2、膠原病
3、IgG4関連疾患
《多中心性キャッスルマン病の臨床像》 |
多くの症例でみられる症状
時に合併する症状
主な検査値異常
|
UCD
MCD