関節リウマチの治療が、疼痛の緩和から、寛解を目指し目標を定めて治療することが求められるようになった。(Treat to target:T2T)
そのため、臨床と研究の両面から、現在の活動性はどの程度か?どの状態になったら寛解とするか?を決める必要があり、様々な評価法がなされてきた。
疾患活動性評価に使われるのは、DAS28、CDAI、SDAIで各々寛解、低疾患活動性、中等度疾患活動性、高疾患活動性が定義されている。また寛解基準のみが示されるACR/EULAR寛解基準(Boolean寛解)があり、上記の評価法の中では最も厳しい基準である。
臨床研究による改善率はACRコアセットも用いられる。20%改善をACR20とするが、ACR50、ACR70、ACR90も使われることがある。
身体活動制限の評価には、患者への問診事項からなるmHAQが用いられる。これを拡大したMDHAQは患者の身体機能だけでなく、関節痛、患者による疾患全般性評価などよりなり、疾患活動性評価としてもPAPID3等で用いられている。このRAPID3もDAS28やCDAIとよく相関する。
関節破壊の評価にはmTSSが用いられ、骨びらんと関節裂隙狭小化を手指、足趾の小関節で評価するものである。
DAS28-ESR = 0.56×√(TJC)+0.28×√(SJC)+0.7×LN(ESR)+0.014(VAS)
DAS28-CRP = 0.56×√(TJC)+0.28×√(SJC)+0.36×LN( (CRP)×10 +1)+0.014×(VAS)+0.96
・TJC:tender joint count 圧痛関節数
・SJC:swollen joint count 腫脹関節数
(TJC、SJCでカウントされる28関節は手関節×2、MCP関節×10、(P)IP関節×10、肘関節×2、肩関節×2、膝関節×2)
・LN: 自然対数、
・ESR(mm/hr)
・CRP (mg/dl)、
・VAS :visual analogue scale 患者による全般評価 (0-100mm)
CDAI=TJC+ SJC + 患者VAS + 医師VAS
・TJC,SJCはDAS28と同じ28関節。
・VASはDAS28とは異なり0-10の範囲で測定。
CDAI=TJC+ SJC + 患者VAS + 医師VAS+CRP
・TJC,SJCはDAS28と同じ28関節。
・VASはDAS28とは異なり0-10の範囲。
・CRP(mg/dl)
①TJC≦1 かつ
②SJC≦1 かつ
③CRP≦1mg/dl かつ
④患者VAS≦1
を同時に満たした場合をBoolean寛解とする。
・TJC、SJCは28関節に含まれない足関節や足趾関節を含めてカウント。
・VASは0-10の範囲
【ACR20】
1、圧痛関節数20%以上の改善
2、腫脹関節数20%以上の改善
+
3、以下の5項目中3項目が20%以上の改善
1)患者の疼痛評価
2)患者全般的VAS
3)医師全般的VAS
4)身体的機能評価
5)急性期反応蛋白